認定補聴器専門店の測定と調整 5つの重要な測定 お店によっては、未だに基本的な聴力測定のみを基に補聴器の調整をしている販売店も多くあると聞きます。そこで、認定補聴器専門店が行う最低限、必要とされる測定をご説明申し上げます。まずは、上述の、どこのお店でも行う気導測定です。これはヘッドホンのような受話器を左右の耳に当てて周波数ごとにどのくらいの音の大きさが聞こえるかを測定します。しかし、 この一つの測定だけでは補聴器の調整には不十分です。 <通常の聴力測定以外の重要な測定>その5つの測定は、専門的な言葉であれば下記のようになります。分かりやすく順にお伝えをしたいと思います①骨導聴力測定➁裸耳巨大音における明瞭度測定③60dBにおける補聴器装用時の明瞭度測定④音場閾値検査を用いた機能利得の決定⑤客観的評価と主観的評価の両面からのアプローチ ①骨導聴力測定について 骨導測定とは、骨から聴力を測る測定です。通常の聴力測定が耳穴を通して聞こえを調べるのに対して耳の後ろの骨の出っ張りに専用の装置を当てて聴力を調べます。認定補聴器店には 禁忌八項目という指針がありそれに一つでも当てはまれば、医耳鼻咽喉科の受診をお願いしなければなりません。 禁忌八項目には [通常聴力と骨導聴力の差が大きすぎる場合]の指針があります 〇 × が通常の聴力測定値 [ ] が骨導聴力の値 ※この記事の画像は個人情報であるお客様のデータではなく、簡略化させて当店が制作したサンプルです ➁裸耳巨大音における明瞭度測定 お客様には補聴器をすれば、正しい音が入るため当然すべての言葉が理解できるようになる、と考えておられる方もおられるのではないでしょうか?実際には 正しい音が入ってもラジオの周波数が合わないように聞こえる場合もあります。だからこそ、お客様の本来持っている言葉を聞き取る能力(明瞭度)を調べることが重要なのです 具体的には ヘッドフォンからから、一文字ずつ言葉が聞こえてきますのでそれを紙に書きとって頂きます大きな目安として80%が正解していれば テレビや会合なども含め、ほぼ聞き取れる60%が正解していれば 正面からはまあまあ理解できるが、テレビや会合などは聞き取れる30%以下の場合は どうしても筆談の併用が必要になってくるケースが多いと言われています。当店では、お客様の持っておられる言葉を聞き取る能力(明瞭度)がどの程度あるかを調べてお伝えして、補聴器の適合調整良好不適などの判断にします ③補聴器装用時の明瞭度測定 補聴器をつけたけれど 「言葉がはっきりと聞き取れない!そうなった場合、二つのケースが考えられます。補聴器の調整が悪くて、持っている言葉の聞き取り能力を引き出していない補聴器は持っておられる聞き取りの能力を引き出しているが、元々の聞き取る力のせいで限界がある 前者であれば、これは問題で再調整により解決すべきです。後者ならば、 調整店は、まず本来持っておられる言葉の聞き取る能力がどの程度あるかの説明が必要です。そして補聴器をつけて、小さな音量の言葉でも 補聴器がその力を十分に引き出しているかを調べることも重要です。言葉の聞き取りの測定は 補聴器を装用して小さな音量で調べる必要があるのです。ただ語音テストで言葉の正解率を説明するだけでは、不十分だと言えるでしょう ④音場閾値検査を用いた機能利得の決定 音には単純に音が大きい・小さいとは違って男性の声の低い音から 女性の高い音まであります。これらの低い音から高い音を、しっかりと分けて入りすぎている音量や足りていない音量を調べます。これを行わずに、パソコンの処方式でおおまかに設定をしているだけでは特定の音の高さでは聞き取れても、ある音の高さではうるさかったり出力が足りなかったりします どの音の高さでも、同じくらい音量で反応できるように測定をします。もちろん、理想値をそのまま入れると、きつく感じてしまう場合があるのでその設定から 段階的にお客様がボリューム等で全体の音量で調整できます ⑤客観的評価と主観的評価の両面からのアプローチ 当店では、客観的なデータだけでなく実際に試聴をして頂き、その主観評価も含めて調整します。これは、反応できる音量はデータによって分かっても、音の感じ方は人によって違うためです ※客観的なデータとお客様の主観評価を用いてどのような対処をしたかを書いていきます。個人情報保護のため 画像は当店で制作したものですが、お客様ごとに 主観評価・客観評価と対処を記入しています また、お店では特に解りやすい話し方をしますが、実際には、話し方の癖があったり、人の声以外の環境音など実際に試聴して初めて分かることも多くあります。そのため、補聴器は一度目の調整だけでは、必ず気になる部分が出てきます。例えば、自声が響いたり、紙の音まで大きく聞こえすぎたりということが起こります現在はパソコンを用いてデジタルで調整するため自声の響き、車の音、紙のすれる音、ピーピー音(ハウリング音)などを聞こえに極力影響することなく、その音だけを調整することができます。客観的なデータだけに頼りすぎることがなく、試聴時の主観的な反応も重要です まとめ 自声の響きなどは、補聴器で耳がふさがった閉塞感自体によるこもり感が原因の場合もあるので耳栓変更や空気を通す穴の拡大など、調整以外の選択も重要となってきます。経験が少なかったり技術のないお店では、調整やそれ以外の選択が上手くできず、改善できない場合もあります。また、右耳を測定しているのに、頭蓋骨を通して実は左耳で聞いていることもあるため適切なマスキング音(邪魔する音)を入れる技術も必要です。補聴器の調整を選ぶ際には 通常の聴力測定以外の5つの測定ができるお店。また、それを調整に生かせる高い技術のあるお店を選ぶことが大切です。 京都で25店舗(令和02年度現在)ある認定補聴器専門店では認定補聴器技能士が常勤しています。南丹市では、唯一の認定補聴器専門店です。また、眼鏡部門においても認定眼鏡士が専門知識を生かして対応しております。ぜひ、補聴器選びの際は、上記の通常の聴力測定以外を扱っているお店を選んで頂ければと思います *お客様の体のご負担を考え、数日に分けて調整させて頂いたり年齢や体調に合わせて、省略をご提案する場合もあります*聴力測定自体は、調整と適合の判断に利用するものであり、お代金をいただくものではありません。また、病気の診断はできません。